外国産のローヤルゼリー
ローヤルゼリーには、国産と外国産の製品があります。国産のローヤルゼリーは非常に少なく、ローヤルゼリー製品のほとんどは外国産のローヤルゼリーです。
そんな外国産ローヤルゼリーが多い理由や輸入先、選ぶ際のポイントについて解説します。
外国産のローヤルゼリーが多い理由
日本でローヤルゼリーが健康食品として普及したのは1960年代です。ですから、歴史はまだ浅いといえます。しかし、日本でのローヤルゼリーの消費量は世界の中でも有数です。国産ローヤルゼリーの生産量はわずかで、9割以上を海外から輸入しています。
国産ローヤルゼリーの生産量の減少
平成26年に農林水産省が発表した「養蜂をめぐる情勢」によると、ローヤルゼリーの生産量は減少傾向が続いていました。しかし、2000年を過ぎた頃からは横ばいに転じています。
《ローヤルゼリーの生産量の推移》
(単位:kg)
年 | 1985 | 1990 | 1995 | 2000 | 2005 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
生産量 | 12,473 | 8356 | 6,094 | 4,035 | 3,916 | 3,103 | 3,380 | 3,878 | 3,669 |
(資料:畜産振興課調べ)
国産ローヤルゼリーの生産量が減少した理由は、冬の寒さでミツバチの活動が限られることと、自然破壊により養蜂ができる場所が減少したためです。高齢化による養蜂家の数が減少したことも理由の一つです。その結果、外国産ローヤルゼリーが主流になってきています。
海外ではローヤルゼリーづくりに恵まれた自然環境が多い
ローヤルゼリーの原料は、ミツバチが花から集めてきた花粉や花の蜜です。ミツバチは寒さに弱く、日本では春から秋にかけてしか活発に活動できません。冬になるとミツバチの活動が鈍くなり、ローヤルゼリーがつくられる期間が限定されてしまうのです。
一方、海外には一年中暖かな気候に恵まれ、ミツバチが一年を通して花の蜜や花粉を採取し、ローヤルゼリーが安定して供給できる国々があります。また、農薬や化学肥料に汚染されていない広大な土地が残されている国も多く、豊かで恵まれた自然環境の中でローヤルゼリーを生産することができるのです。
日本企業の海外進出
日本の食品会社の中には、海外でミツバチが飼育される環境の選定や衛生管理など、日本の高い安全基準に従ってローヤルゼリーを生産・販売されている企業が数多くあります。このようなメーカーでは、日本人が現地に行って厳しくチェックをし、高い品質を維持するように徹底した管理を行っています。ですから、たとえ外国産であっても日本のメーカーが海外で生産しているローヤルゼリーであれば、日本国内の高い安全性と比べて劣ることはありません。
安い価格で生産できる
外国産ローヤルゼリーの生産国では労働賃金が低い国が多く、低コストでローヤルゼリーを生産することができます。中国(北京)の賃金は日本(横浜)の5~7分の1にすぎません。東南アジアの国々の平均賃金も日本の20%~60%しかないのです(2013年のJETORO調査資料より)。賃金が低い海外の国でつくられたローヤルゼリー製品は、安い価格で生産できます。
外国産のローヤルゼリーの輸入先
外国産のローヤルゼリーのうち、90%以上を中国産のローヤルゼリーが占めています。中国産以外に輸入量が多いのは、台湾産、タイ産のローヤルゼリー製品です。オーストラリア産やニュージーランド産のローヤルゼリー製品はごくわずかで、取り扱っているメーカーも限られています。
外国産のローヤルゼリーを選ぶ際のポイント
外国産のローヤルゼリーには、輸入先の外国企業が製造や販売をしているものと、日本企業が現地で製造しているものがあります。外国産ローヤルゼリーを購入する際には、品質や安全性、鮮度や価格を考えて購入するとよいでしょう。
品質や安全性
ローヤルゼリーを購入する際には、品質の良し悪しや安全性を考えて選ぶことが大切です。蜜源の土壌環境や農薬の残留濃度、ローヤルゼリーを製造・加工する施設の衛生面などにより、ローヤルゼリーの品質や安全性が決まってしまうからです。
日本に輸入される外国産のローヤルゼリーについては、全国ローヤルゼリー公正取引協議会により、原材料や製造環境、成分の表示に至るまで厳重に検査をしています。ですから、原産地がどこであっても、品質や安全面で心配はいりません。ただし、市販されているローヤルゼリー製品の中には、産地や成分等を詳しく表示されていないものもあります。外国産のローヤルゼリーを選ぶ際には、全国ローヤルゼリー公正取引協議会の公正マークがついた製品を選ぶことをお勧めします。
鮮度
ローヤルゼリーは大変デリケートな食品で、時間が経つと品質が劣化してしまいます。鮮度がローヤルゼリー製品の品質を決定づけている、といっても過言ではありません。
鮮度を考えると、輸送に時間がかからない近隣の国から輸入されたローヤルゼリー製品を選ぶとよいでしょう。
価格
外国産のローヤルゼリーは、国産のローヤルゼリーと比べて安い価格で購入できます。同じメーカーから発売されているローヤルゼリーでも、国産ローヤルゼリーと外国産のローヤルゼリーでは価格に大きな差があります。国産ローヤルゼリーは100gあたり15,000円~25,000円位が一般的ですが、外国産のローヤルゼリーは100gあたり5,000円~15,000円位で購入できます。
まとめ
国産ローヤルゼリーの生産量はわずかで、9割以上を海外から輸入しています。外国産ローヤルゼリーの輸入先は、中国や台湾、タイ、オーストラリアやニュージーランドの国々です。これらの国々では、ローヤルゼリーの生産に適した気候や自然環境に恵まれ、1年を通して安定供給ができる国も多くあります。海外には高い安全基準でローヤルゼリーを生産・販売している日本企業が数多くあります。
ローヤルゼリーを購入する際には、全国ローヤルゼリー公正取引協議会の公正マークの有無を確認した上で、鮮度や価格を考えて購入することが大切です。